大勢と会った日は、眠れなくなる。

こう言うべきだった、自分の話ばかりして気を遣えてなかったなんてモヤモヤと考えて。

気づけば朝。

支度して、出る。

灰色の空。

俺の網膜にだけグレーハイライトがかかったかと疑うような天気。

ほんの僅かに雨足が強まる。

自分一人の命じゃないんだぞ。なぜそう疎かにする。

掻き消される電車の肉詰め。

その上寝過ごすとは、なんで有様。

でも、おかげで少し楽になった。

そうこうしているうちに着いた。

 

何かが起きたわけじゃないのに、何も上手くいっていないように感じる朝。すでに一日が終わってしまったかのように感じる朝。

 

今日はなんとか、無事に帰る。

それができれば、今日はいい。

こういう日も受け入れて、静かに、やり過ごそう。